Gマーク(安全性優良事業所)の申請要件、評価項目、認定等
Gマークの申請要件、評価項目、認定等は次の通りです。
Ⅰ 申請要件
①事業開始後(運輸開始後)3年を経過していること
②配置する事業用自動車の数が5両以上であること
③虚偽の申請、その他不正の手段等により申請の却下又は評価の取り消しを受けた事業所にあっては、その申請年度後2事業年度を経過していること
④認定証、認定マーク及び認定ステッカー等に偽造若しくは変造又は不正な使用により是正勧告を受けた事業所にあっては、当該是正勧告の履行状況が確認され、及び偽変造等に係る認定証等の提出を受けた日後3年を経過していること
Ⅱ 評価項目
①安全性に対する法令の遵守状況(配点40点・基準点数32点<最低点数のこと>)
・地方実施機関による巡回指導の結果(25項目 40点)
※前年度申請の評価で当該項目の基準点数を満たさず認定されなかった事業所は、申請年の7月1日~10月31日の期間内に改めて巡回指導を実施
※この①が取れないとGマークが取れないことになります。
②事故や違反の状況(配点40点、基準点数21点)
・2023年度の場合、対象期間は2023年11月30日以前3年間(2020年12月1日~2023年11月30日まで)
ァ 事故の実績(20点)
2023年度の場合、2023年11月30日~過去3年間に事業所の事業用自動車が有責の第一当事者となる、自動車事故報告規則に定める事故がないか
イ 違反(行政処分)の実績(20点)
2023年度の場合、2023年11月30日において、事業所に貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の点数が付加されていないか。また点数がある場合には、当該事業所に係る行政処分の累積点数は何点か
③安全性に対する取組の積極性(配点20点・基準点数12点)
対象期間:2023年度の場合、2023年7月1日現在
次の4グループすべてから得点しなければなりません。
ァ グループ1
運転者等の指導・教育(9点満点)
イ グループ2
輸送の安全に関する会議・QC活動の実施(4点満点)
ウ グループ3
法定基準を上回る対策の実施(4点満点)
エ グループ4
その他の項目(計6項目)から最低1項目、最大3項目を選択 (3点満点)
Ⅲ 認定等
①認定要件
ァ 評価項目(配点計100点)の評価点数の合計点が80点以上であること
イ 各評価項目の基準点数を満たしていること
ウ 法に基づく認可申請、届出、報告事項が適正になされていること
エ 社会保険等への加入が適正になされていること
②有効期間
・新規 2年間
・初回更新 3年間
・2回目以降更新 4年間
Ⅳ その他
◇安全性優良事業所の証
・認定証の授与
・認定マーク及びステッカーの使用
・全日本トラック協会のホームページに掲載
◇弁明の機会あり(評価点数を満たさなかった場合)
◇更新手続(5月初旬ごろにハガキで案内があります)
Gマーク:2023年度の改正点等
Gマークは、2023年度に「改正」がありました。
①WEB申請の場合→ほとんどの場合はこちらで申請します。
2023年の申請受付期間は、2023年7月1日~7月14日でした。
<改正点>重要
上記のWEB申請受付期間前に申請情報を入力し、保存した場合でも、申請受付期間内にあらためて申請ボタンを押す必要があることになった点です。
【新規、更新AC方式の申請について】
上記のWEB申請に加え、評価項目Ⅲ「安全性に対する取組の積極性」を検証する資料の提出が必要になりました。
(これは申請に事業所が所在する都道府県の地方実施機関の受付窓口へ持参又は郵送をします)
②紙媒体による場合(原則としてWEB申請)
・開始日 毎年5月
・方法 各都道府県トラック協会より入手
③申請手続きは、運送会社の担当者が原則行うこととし、代理人(行政書士)の申請手続きは認められない場合があります。
(兵庫県は、担当者と代理人の同行申請<担当者がわからないとき困るので>です。)
★評価の決定
全国実施機関が3つの評価項目について評価基準に基づき点数化し、「安全性評価委員会」への諮問、答申を経て評価を決定します。詳細は順次説明して参ります。
★申請の流れ
申請書のWEB作成(WEB上)・・・早めの作成を心掛ける
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毎年7月1日~7月14日頃(発表あり)WEB申請受付+申請ボタン押下。
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登録完了メール受信
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(案内文書に、詳細が書かれてあるので、それに従い受付を済ます)
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受付完了メール受信
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申請完了(申請書控のダウンロードをWEBで行う)
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評価結果の通知が12月中旬頃に郵送にて通知あり
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晴れてGマーク(安全性優良事業所)事業所となり、全日本トラック協会のホームページに掲載されます。尚、更新については5月初旬ごろになると「更新のご案内」ハガキが届きます。
次回は、申請要件、評価項目、認定等を説明して参ります。
Gマーク取得のメリット(その2):都道府県トラック協会会員事業者であれば、各種助成金(増額など)の優遇措置が受けられます。あわせてデメリットも記載いたします。
Gマーク(安全性優良事業所)を取得すると、さらに次のメリットが加わります。
①全日本トラック協会よりの優遇措置で、都道府県トラック協会会員様に対し助成事業が行われます。
ァ ドライバー等安全教育訓練促進助成制度
特別研修への受講料助成金の増額(通常7割→全額助成)
イ 安全装置等導入促進助成事業
IT機器を活用した遠隔地で行う点呼に使用する「携帯型アルコール検知器」への1台につき
2分の1、上限2万円の助成
ゥ 経営診断受診促進助成事業
・経営診断助成金の増額(通常8万円→10万円)
・経営改善助成金の増額(通常2万円→3万円)
エ 自動点呼機器導入促進助成事業
・導入台数上限の緩和(通常1事業者1台→1事業者2台)
・助成額上限の増額(通常1台あたり上限10万円→2台分で上限20万円)
② 損害保険会社及び交通共済の一部では、運送保険等において独自の保険料割引を適用
③ 荷主企業に選ばれる運送会社になる
荷主や配達先に選ばれるほど安全性を確保しているということは、社会的にも選ばれる運送事業者であるともいえます。
④ ドライバーに選ばれる運送会社になる
社会保険の加入義務など、従業員を大切にしてくれている会社、安全に力を入れている会社など、ドライバーが就職先を選ぶ基準になるともいわれています。
Gマークを取得した結果、ドライバー募集にも困らなくなったという事業者があるほどです。Gマーク企業で働いているという誇りを持つことができ、プロ意識が高まるとも聞いています。
反対に<デメリット>もあります。
・条件が、厳しく取得するには多くの取組みや書類が必要になること。
・更新制度であること。
・申請費はかかりませんが、行政書士に依頼する場合は、費用がかかること。
・自社で取得する場合、担当者の負担が大きいこと。
(担当者の負担が大きいことから、行政書士に依頼されている事業者が多いようです)
次回は、2023年度に改正された点、申請要件、安全性評価委員会が行う評価項目・認定要件について、説明して参ります。
Gマーク事業所(安全性優良事業所)になれば、これだけ多くのメリットがある。目指しましょう!「Gマーク事業者」(営業所毎です)
公益社団法人 全日本トラック協会は2003年7月から、利用者がより安性性の高い事業者を選びやすくするため、事業者の安全性を正確に評価し、認定し、公表する「安全性優良事業所」認定制度をスタートしました。企業全体ではなく、営業所単位です。
<Gマークを取得するとこれだけ多くのメリットがある>(その1)
1 インセンティブ付与
<国土交通省>
ァ 違反点数の消去
通常3年間となっている違反点数の付与機関について、違反点数付与後2年間違反点数の付与がない場合、当該違反点数が消去されます。
イ IT点呼の導入
対面点呼に代えて国土交通大臣が定める設置型又は携帯型のカメラを有する機器による営業所間等での点呼が可能。
ゥ 点呼の優遇
2地点間を定時で運行する携帯の場合の他営業所における点呼、同一敷地内に所在するグループ企業間における点呼が承認されます。
エ 基準緩和自動車の有効期間の延長
基準緩和自動車が適切に運行されている場合、緩和の継続認定において、有効期限が無期限に延長(通常4年間)される。
オ 特殊車両通行許可の有効期間の延長
特殊車両の通行許可について、一定の要件を満たす優良事業所車両の場合、許可の有効期間が最長4年までに延長(通常最長2年間)されます。
カ 補助条件の緩和
CNGトラック等に対する補助について、新車のみの導入に係る最低台数要件が1台に緩和
(通常3台)されます。
キ 安全性優良事業所表彰
安全性優良事業所の認定を、連続して10年以上取得している場合など、さらに一定高いレベルにある事業所が表彰されます。
ク 「安全性優良事業所」のステッカーをトラックに貼ることができる。
ヶ 安全優良事業所であることをホームページや名刺などに掲載ができます。
まだまだ他にもメリットがありますが、次の「メリットその2」でご紹介いたします。
増えています!(定年後のお仕事・副業に)個人であれば自分の駐車場ですぐに届出だけで始められる「貨物軽自動車運送事業」
◆「貨物軽自動車運送事業経営届出書」という書類を他の貼付書類と共に営業所住所地の管轄運輸支局に提出します。→受付完了後、運輸支局の印が押され、次に軽自動車検査協会で事業用黒ナンバーを取得→営業開始という流れになります。
※兵庫県内は全て、運輸支局は「神戸運輸監理部兵庫陸運部2F監査部門」(神戸市東灘区魚崎浜町34-2)となります。
<メリット>
①軽貨物車1台以上で始められます。(個人の場合は、資本金欄は空欄で可)
②「営業所」や「休憩施設」は自宅でも可能です。
③「自動車車庫」の大きさは(2m×2.5m)以上であればOK(※但し条件あり→下記に記載)
④「運行管理者」の資格証明書や、開始後の報告書類(開始届など)は不要です。
⑤軽自動車検査協会で「自家用黄色ナンバーから事業用黒ナンバーへ」変更が可能です。
⑥軽自動車の黒ナンバー霊柩車もこの「貨物軽自動車運送事業」になります。
⑦適正化実施機関の巡回指導、事業・実績報告書の義務もありません。
⑧標準約款(国土交通大臣)を使用するのであれば届出書にその旨を記載すれば約款添付不要。
⑨運輸局から市区町村役場に、その営業所・車庫が可能地域なのかどうかの照会は入りません。
⑩届出なので許可証などはなく、よって許可番号のような番号も存在しません。
※「自動車車庫」について
A. 原則として営業所に併設されていること。併設できない場合は、営業所からの距離が2㎞以内であること。
B. 「車庫」として使用権原を有すること(その土地、建物が自己所有又は賃貸借など)。
C. 農地法や建築基準法等の都市計画法等関係法令に抵触しないこと(弊所で確認可)。
D. 軽貨物自動車の駐車場使用場所が他の用途の使用場所と明確に区分されていること。
<求められること>
・管理体制
事業の適切な運営を確保するために運行管理等の管理体制を整えているものであること。
・損害賠償能力
自動車損害賠償保険法等に基づく責任保険又は責任共催に加入する計画があること。
<届出手続>(管轄運輸支局によって異なる)
①様式 貨物軽自動車運送事業経営届出書
②申請先 営業所住所を管轄する運輸支局
③標準処理期間 届出なので即日
④委任状必要(行政書士へ)
⑤押印不要
⑥提出部数 1部(+副本、事務所控)
⑦運賃料金設定届出書、運賃料金表、連絡書、車検証の写しが必要です。
<罰則等>
無届で貨物軽自動車運送事業を経営した者は100万円以下の罰金に処せられます。
(貨物自動車運送事業法第76条第1項第9号)※無届で経営することはできません。
<次の項目に変更があった場合は、変更届出を提出>
①氏名又は名称及び住所(主たる事務所の名称及び位置)
②代表者
③営業所の名称及び位置
④事業用自動車の種別ごとの数
⑤自動車車庫の位置及び収容能力
⑥乗務員の休憩又は睡眠の施設の位置及び収容能力
⑦廃止・死亡など
<弊所の手続代行料金>
〇新規届出
基本料金:50,000円(税別)(営業所、支局などへの交通費は別途必要)
〇更新届出
基本料金:30,000円(税別)(営業所、支局などへの交通費は別途必要)
<お問い合わせ>月~土 9:00~18:00受付(日・祝除く)
行政書士野原周一事務所
電話:079-495-3254
携帯:090-6248-9855
FAX:079-440-7769
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