「任意後見制度」と「法定後見制度」の違いは?そのメリットとデメリットとは?

任意後見制度と法定後見制度の違いについて、お話します。またメリット・デメリットも紹介します(全てではありません)。
1 任意後見制度とは? (任意後見契約を公証役場で公正証書にすることが必要です)
・本人が、判断能力が低下する前に「任意後見契約」で自由に「後見人」を選ぶことができる制度です。・・・・メリット
・「任意後見契約」の範囲内で「後見人」は本人の財産・身上監護を行っていきます。
監督は「後見監督人」の監督下で行われます・・・・・メリット
※任意後見人の職務の開始は、本人の判断能力が低下し「後見開始の申立て」を家裁に行い、後見監督人が家裁から選任されてから
スタートします。
・「後見監督人」は家庭裁判所によって選任され、本人の財産より報酬が支払われます(後見人に対しても同じ)。・・・・デメリット
※後見監督人の選任は、家庭裁判所が適格と認める人を選任しますので、本人に選択の自由はありません。
・「死後の処理」を委任することはできなかったり、法定後見制度に認められている「取消権」はありません。・・・・デメリット
・諸々の手続や報告に時間と手間を要します(例:後見人は、本人の財産状況を家裁と後見監督人に報告)。・・・デメリット
2 法定後見制度とは?
法定後見人(家庭裁判所が申立てによって選任します)は、
・認知症などになって、本人では行えなかった施設などの入居の契約や、金融機関などの口座の解約等ができます。・・・・メリット
・後見人が行った不正な契約などを解約することができます(取消権あり)・・・・メリット
・家庭裁判所が本人の生活を見守り、場合によっては成年後見監督人を選任し、より慎重な財産管理を行えます・・・・・メリット
※但し、本人の意図とは違う財産管理になってしまうことがあります。・・・・デメリット
・親族でも本人の財産に簡単に手が出せなくなります。・・・・デメリット
・後見人の業務が長期間になる可能性があります。(本人の判断能力が回復するまで存命中ずっと続く)・・・・・デメリット
・就任後1か月以内に本人の財産目録を作成し、家裁に提出、1年に1度、家裁に報告書を提出など事務が大変です。・・・・デメリット
など両者に違いがあります。
「数次相続」と「相次相続」の違いとは?

1 数次相続とは、遺産分割中に、該当する相続の相続人が亡くなり、新たな相続が発生することをいいます。
つまり、遺産分割中に次の相続が発生するのです。
その遺産分割中に亡くなった人は、一次相続の相続人であり、二次相続の被相続人ということになります。
数次相続の場合は、それぞれの相続で遺産分割を行い遺産分割協議書を作成する必要があります。
2 それに対して、相次相続とは、相続税申告・納付後に新たな相続が発生することです。
つまり、相次相続とは、短い間に相続が重なることをいいます。
10年以内に相次相続が発生した場合、相続税の負担が重くなりすぎることを防ぐ「相次相続控除」という控除が適用されます。
これは、前の相続税額のうち、1年につき10%の割合で減った後の金額を、今回の相続税額から控除できます。
相次相続控除については、税理士が専門家として担当されます。
判断能力が衰える前にする「最善の選択」とは?

答え
親族以外の第三者が後見人に選任される可能性がある法定後見制度(判断能力低下後)ではなく、
「任意後見」と「家族信託」を組み合わせる契約をし、遺言もあわせて公正証書にする方法です。
これは、それぞれのデメリットを補うものだからです。
※但し「任意後見」も「家族信託」も「遺言」も、本人の判断能力が衰える前に契約、作成することが必要です。
「財産管理を家族信託」で、「身上監護を任意後見」で補うことができ、現在、ベターな対策と考えられるからです。
※遺言は、「信託契約」以外の財産を指定するためのもの。
家族信託は、お金の出し入れなど認知症発症後でもよく、本人の健康状態に左右されることのない制度です。
※家族信託は、「信託契約書」を作成して行いますが、家族全員が納得していることが前提です。
※さらに受託者(例えばこども)が認知症になっても、第二受託者を信託契約で決めることができる大きなメリットがあります。
「相続させる」と「遺贈する」は同じ?

答え
違います。
「相続させる」は、相続人に対して「遺言」や「遺産分割協議」で遺産を譲渡することです。
相続人に相続の場合は、必ず「〇〇に相続させる」という言葉を使います。
それに対して、「遺贈する」は、相続人や相続人以外の誰かに「遺言」で遺産を無償譲渡することです。
遺贈の場合は、必ず「〇〇に遺贈する」という言葉を使います。
例えば、被相続人の孫Aに遺言で贈与=遺贈するときは、「A(×年×月×日生まれ)に遺贈する」となります。
受遺者の生年月日を必ず記載するのは、孫Aを特定するためです。相続の時も同様に生年月日を必ず記載します。
任意後見制度と法定後見制度の違いとは?

任意後見制度と法定後見制度の違いですが、「任意後見」とは本人の判断能力が衰える前に契約(公正証書による)し、判断能力が衰えた後に後見契約の効力を発動させて後見を開始する制度です。
それに対して「法定後見」とは、判断能力が不十分な方に適用される保護制度です。申立て人が家庭裁判所に「法定後見」の審判の申立てを行い、家庭裁判所の審判が確定されることで保護が開始される制度です。
「法定後見人」及び「法定後見監督人」は、家庭裁判所が選任、指定します(家族などの希望に沿わないことが多く、弁護士や司法書士が選任されることが多いです)。
それに対して「任意後見人」の選任では本人の意思が反映されます。「任意後見監督人」は任意後見人を監督する人のことで、実際に任意後見契約が開始されるときに申立てを行い、選任されることになります。ここに両制度の大きな違いがあります。